<秀英予備校の紹介>
静岡県静岡市に本部を置く、小学生、中学生、高校生を対象とした学習塾・予備校。現在では全国24都道府県に、約300の校舎と700人の教師を抱え、生徒数は約25,000人に達している。集団授業のほかに個別指導、映像授業など幅広い授業スタイルを揃え、小・中・高を通した持続的な学習サポートを目指している。
<今回お話をお伺いした方>
ITシステム課 課長 手塚喜紀氏 (左)
2003年入社。大学受験部、新規事業本部を経て、ITシステム課へ。社内グループウェアやeラーニングシステムのリニューアル、授業用タブレットの導入を担当。
ITシステム課 上級プロフェッショナル 清水志帆氏(右)
2011年入社。約6,000台の授業用パソコン・タブレットの調達および管理。システム開発や各種ツールの導入、ユーザーサポート全般を担当。
手塚氏:
私たちの塾では、2019年10月に小中学生を対象にコミルの本格導入が始まり、翌年の4月には高校生の運用も開始しました。コミルは学習塾の運用に合わせて開発されており、多くの教師や保護者から「とても使いやすい!」という声が寄せられています。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校の休校など、保護者の不安が高まっている状況においても、コミルを用いた情報提供やコミュニケーションによって信頼関係を維持することができました。コミルが無ければ、目まぐるしく変化する緊急事態に迅速に対応することは難しかったと思います。
清水氏:
特に高校生の運用は世界的な混乱の中でスタートを切る形となりましたが、休講やオンライン授業の連絡ツールとして活躍し、たくさんの感謝の声を頂きました。
秀英予備校の場合、小中学部だけでも生徒数2万名を超える「大規模運用」です。導入に際しては、既存システムとのデータ連携、権限構成の検討、インフラの準備など、技術的に検討すべき事項がありました。これらの点は、コミル開発担当者による高度な技術サポートによって、着実に解決することができました。
次に運用面の課題として、多くの保護者と約700名の教師が一斉にシステムを利用する必要があります。新しいツールをすぐに使いこなせる方もいれば、苦手意識を持つ方もいます。その全員の足並みが揃うように何ができるか? これについても手厚いアドバイスがあり、校舎数を限定した試験運用や社内向け説明会、保護者会での登録案内などを行い、短期間で本運用を開始できました。まずは現場からの好評の声にホッとしています。
手塚氏:
システム部門としてコミル導入を検討する際に、特に3つの条件を重視しました。1つ目は「シンプル」であること。どんなに強力なツールでも、仕組みが複雑で使いこなすための努力が必要になるものでは、かえって教師の負担になってしまいます。
2つ目は、「全体最適化」ができること。生徒・保護者を含めた塾に携わる全員がバランスよく恩恵を得られるものを探していました。
そして、3つ目は「持続可能」であること。システム導入はゴールではなく、そこからがスタート。利用者の負担、管理上の作業負荷、維持コストなどを考慮して、継続的に利用できることが重要です。
コミルはこれらの条件をすべて満たしていました。学習塾の運営経験がある開発者によるシステム設計に加え、熱意のある提案やアドバイスが強力な推進力となり、驚くほど自然に教室の運営に馴染んでいきました。
いまでは塾生の約95パーセントが登録しており、秀英予備校にとって、重要な教育サービスの一つとなっています。
清水氏:
初めてコミルを触った頃を振り返ってみましょう。まずは本導入前に一部の校舎に限定して試験運用を行いました。一般的に試験導入は現場にとって業務負荷が高く、依頼する側も心苦しい面があります。しかし、コミルの場合は「私の校舎で使ってみたい」という声が集まり、驚かされました。
若手の教師が業務用タブレットを使って楽しそうにコミルを使いこなす様子に、周りの皆が引っ張られる形でどんどん導入準備が進んでいきました。多くの人が関わる大規模導入であればこそ、現場の声を信頼することが重要だと学びました。
手塚氏:
「どのように使えば生徒や保護者のためになるか」を試行錯誤しながら周囲と相談する教師の様子を見て、近隣校舎の情報を互いに閲覧できる権限構成に変更しました。自分の担当校舎や生徒だけでなく、「秀英予備校の社員として協力し合う」という良い文化がコミルの中でも機能していると感じます。
さらに試験導入に参加した教師にアンケートを取りました。もっとも重要と考えていた項目は「(コミルの各機能について)周囲に勧めたいと感じますか?」という質問への回答です。どの機能もとても高いスコアでしたが、特に「お知らせ・お問い合わせ」は殆ど満点と言える結果でした。
教師自身が同僚や保護者に勧めたくなる機能であれば、きっと校舎業務の改善に直結します。このスコアが高い機能から優先的に使い始めることで、導入の効果を実感しやすくなったと思います。
清水氏:
秀英予備校の教師は「生徒に向き合いたい。生徒の力になりたい」という熱い想いを持っています。コミルを通して、それを伝えることで保護者との信頼関係はさらに深く強固なものとなりました。
サービス名の「コミル」は「子を(一緒に)見守る」に由来していると聞きました。とても素敵な名前ですし、まさに教師と保護者が共に子どもの成長を見守る関係性を作ることを支援するツールだと感じています。
教師の仕事は授業以外にも山のようにあります。それらをひとつずつ、コミルの機能で軽減し、教師が働きやすい環境を作っていきたいと考えています。
手塚氏:
私も同じ意見です。教師のエネルギーを事務作業で削いでしまうのではなく、少しでも多くのリソースを生徒や保護者に集中できる環境に変えていきたい。
社内にシステム部門が置かれた理由は、「教師の言葉(要望)とシステム会社の言葉(技術的な専門性)の双方を理解した橋渡し役となり、教育業界の大きな変化に迅速に対応するため」です。この役割を果たす上で、コミルは強力なツールになると感じています。
清水氏:
必要性の高い機能から段階的に導入していますが、教師から「この機能も使いたい」という要望がたくさん届いています。なるべく早く対応できるように頑張ります。
手塚氏:
今回の新型コロナウイルスの衝撃は大きく、旧来の対面式の面談や授業、保護者会、各種業務を考え直す必要に迫られています。しかし、これを機に新しい形の「密な」コミュニケーションや業務デジタル化の可能性も具体的に見え始めています。
新しい時代に求められる「コミュニケーション」と「校舎業務」の劇的な変化に、コミルであれば応えてくれると期待しています。