自分で言うのもなんですが、私はイヤ~な姑のように細かいです。
エアコン本体の上を人差し指でこすって、「はい、ホコリ」なんて言えるような感じです。性格悪いですね(笑)。
しかし、教室をマネジメントする上では、ときにはスタッフからウザがられたり嫌がられたりすることがあっても、そのくらいの細かさも必要だと思っています。
特に「保護者目線」を考えるなら大切です。
私はよく「保護者ならどう思うか」という視点で教室の様子やスタッフの動きを考えるのですが、今回はその視点で「新規面談に来る保護者」をイメージしてみます。
1.教室の外見
まず、教室の外見チェックです。窓や壁面などに貼ってあるカッティングシートが破れていないか、ゴミが散乱していないかを確認します。
あと、自転車の数や自転車の整列具合も見ますね。夜の時間帯に自転車の数が少ないようだと、「この塾さん、大丈夫なの?」と思われてしまいかねません。
また面談後に、(来たときと比べて)自転車が整理されていれば、スタッフによる定期的な整理整頓があることが分かるので、プラスの判断材料になります。
2.入り口のドア
ドアについた指紋の掃除が行き届いているか確認します。特にガラスのドアだと、ドア全体を確認します。
明らかに数日間拭いておらず、指紋や手型でベタベタだとマイナスです。
3.あいさつ
教室に入った際に「こんにちは」「こんばんは」という声が各方面から飛んで来ればとても印象がいいです。
個人的にはかなり高得点です(笑)。
社員さんが挨拶するのは当然ですが、すれ違った学生講師が何も言わずに通り過ぎたりすると、しっかり育成や研修ができていないんだなと感じてしまいます。
4.教室の明るさ
入った瞬間の教室の明るさ(照明や日当たり的な意味)で判断します。これは、正式なデータがあるわけではなく個人の実感値にすぎませんが、教室が明るい塾さんほど流行っているという印象があるんです。
逆に暗ければマイナスです。室内の明るさの基準は、コンビニくらいが理想です。
5.教室の蛍光灯
例えば、天井の蛍光灯が昼光色と昼白色がバラバラに組み合わさっている場合、私ならその時点でアウトです。居心地の良い教室作りやそれに対する感覚が鈍い人がやっている塾なんだなと、かなり残念な感じになります。
「たかが蛍光灯の色のひとつやふたつ……」、あるいは「くだらないこと」だと思われますか?
確かに、蛍光灯の色が揃っていれば成績が上がるわけではありませんが、そういう細かいところに気付けるセンスが、生徒さんの小さな変化に気付いたり、保護者さんの想いをくみ取るなどの敏感さにも繋がるのです。
ズボラはダメですよ、ということですね。
6.授業の様子
教室に入ると授業の様子が伺えます。
個人的には、静かに黙々と勉強する雰囲気が好きですが、元気に楽しそうにしている環境でもアリだと思います。
いずれにせよ、授業がきちんと成立していればプラスです。
ギャーギャー叫んで周りに迷惑をかけている生徒さんがいたり、講師や社員にタメ語で話す生徒さんがいたりするとマイナスです。
7.働く講師の顔
働く講師の顔を見て、楽しそうに授業をしているか、生徒のためを思って授業を展開しているかを見ます。
面倒くさそうに「教えてやってる感」が見えるようだと、私なら、面談をする前に帰ってしまうかもしれません(笑)。
8.社員の第一印象
面談を担当してくれる社員さんの第一印象もポイントです。どこでもよく言われることですが、「第一印象」ってとても大事です。
「最初は無愛想だけど、本当はいい人なんですよ」という場合もあるでしょうが、面談中に挽回して、
それを理解してもらうのは難しいです。それに、その挽回に時間や労力をかけるくらいなら、初めから感じよくしておくほうが断然効率的です。
マスクをしていても(しているからこそ)、笑顔で「こんばんは。ようこそお待ちしておりました」と言えるぐらいがベターです。
9.自習室の様子
自習室を見て、静かに黙々と勉強できていればプラスです。
私語をしていたり、寝ている生徒がいたりと、自習室としての役割を果たせていないときはマイナス。
このような状況を作り出すのは、社員の管理不足です。残念ながら、入会しようとは思えないですね。
10.社員の身だしなみ
社員さんの髪型・服装を確認します。TPOを意識できているか、シャツの襟や袖は垢で汚れていないか、無精ヒゲの時点でアウトです。
ヒゲが濃いのと、ヒゲを剃らないのでは意味が異なります。
また、パリッとしたシャツを着て、爽やかに対応してもらえると、とても好感度がアップします。
11.面談時、社員が話す様子
やっとここで面談です。
ここまでかなりイヤな姑ぶりを発揮してきているので、面談入る前に、入塾するか否か決まっているような気も(笑)。
さて、面談の際は、一方的に自塾のアピールに終始する人はマイナス、個別のニーズを聞き出し、聞き役に回れる人はプラスです。
なんのかんのと、保護者さんは現状に何らかの不安や不満を抱えてここに来ているわけです。それを「聞いてくれる人」だという印象を与えられるだけでまったく違ってきます。
12.面談時、社員に「なぜ、この仕事をしているのですかと聞く」
私は意地悪なので、この質問をすると思います。その社員さん(先生)が、なぜ塾の仕事をしているのかを聞くんです。
特に素晴らしい教育観を聞かせてもらいたいのではなく、内容はどうであれ、しっかり答えることができた人はプラスです。
言葉に詰まるとか、答えられないという人はマイナスですね。
本気でこの以後都に取り組んでいるのなら、我が子にも(自分=保護者にも)誠実に向き合ってくれるだろうと感じられますし、その逆もまたしかり。
こっちが面接官みたいで感じ悪いですけど、大事ですよ。
13.入れるのが目的か、子供のことを考えての提案か
面談で話をしていくと、入会させるのが目的か、我が子のことを考えて提案してくれているかはある程度分かります。どっちがプラスでマイナスかは言うまでもないですね。
14.即決をしないと伝えた際の社員の表情
入会を促しても「今日、すぐにお返事はできません」と言われてしまうことってありますよね。
その時、対応した社員さんの表情が曇るなど、一瞬ではありますが「本音」が垣間見えることがあります。私はそれを見逃しません。
15.帰る際の社員の対応(来た時と同じか)
即決せずに帰る際、迎えてくれたときと同じ笑顔やテンションで見送ってくれるかを見ます。
「入会しないのかよ……」と、いかにもテンションが下がっているのが見てとれる場合は、逆にこちらのテンションが下がってしまいますね。
いかがでしょうか。
重箱の隅をつつくような視点もありますし、そんなことは塾の良し悪しの本質と関係ないと思われる方もいるでしょう。
しかし、些細なことだからこそ、そんな些細なことで塾のマイナスを創るのはもったいないと思いませんか?
また、繰り返しますが「保護者目線で考えた場合」です。保護者さんはそういうところも見ていますよ、ということを忘れてはいけないと思います。自分の子どもを預けようと思ったら、これぐらい厳しいチェックはあるはずです。
どの親御さんもこういったチェックはあるべきだと考え、ぜひ貴塾に落とし込んでいただければと思います。
項目・内容自体は、難しいことばかりではなく、当たり前のことばかりですからね。