入会面談で勝負を決めるのは何!?【vol.1】
著者の紹介
安多 秀司 (やすた・ひでし)
株式会社リアル・パートナーズ、株式会社個別教育フォレスト
ゴールフリー、スタンダードカンパニーを経て独立。個別教育フォレストを開校。個別指導歴17年。自塾を運営する傍ら、全国各地で個別指導塾の経営コンサルティングやセミナー登壇などにも精力的に取り組んでいる。
入会面談で勝負を決めるのは何!?
とにもかくにも、まずは「人」!
私は、入会面談で最もたいせつな要素は「面談する人(塾長や教室長)」だと考えています。何をおいても、まずはここです!
以前、塾を開業しようと考えておられる方からこんな相談を受けたことがありました。「大手フランチャイズ本部の担当者さんから『保護者さんは入塾を検討する際に必ず2~3塾は比較するので、塾の見た目も大事。そこにお金をかけたほうがいい』って言われたんですけど、そういうものなんですか?」と。
結論としては「資金に余裕があればそれもいいですけど、安い市販品で十分ですよ」とお伝えしました。まあ、「比較検討する」「見た目も大事」というのは間違いではないでしょう。内外装や机などの備品がオシャレであれば、それはそれで悪いことではないですしね。ただ、そこが最優先事項かといえばそうではないと思います。
最初に書かせていただいたように、一番重要なのは「面談する人(塾長や教室長)」だと思うからです。保護者さんや生徒さんが入塾の決め手にする要素の8割はここにあるといっても過言ではありません。あとの2割は体験授業や料金といったところでしょうか。「見た目」はそれ以降の話です。
「人」は掛け算の基本となるようなもの
なぜ塾に通うのか、なぜ通わせたいのか考えてみれば当たり前のことなのですが、生徒たちは「勉強」しにきているわけです。そして、それを担うのは人間(塾長・教室長・講師)です。人間が信用に足らなければ、安心して我が子を預けられません。
もちろん、教室が散らかりっぱなしとか、清潔感がないとか、そういうのは良くないですが、最低限のことさえできていれば少なくともそれが「入塾しない」という理由にはなりません。
掛け算で考えてみるといいと思います。どれだけ教室がキレイでも、料金が安くても、基本となる「人」の評価が低ければどうでしょう? ましてやもしゼロならば、ゼロにいくら掛けてもゼロです。それくらいの心構えでちょうどいいと思います。
自慢話のようになってしまい恐縮ですが、弊塾の教室長は、面談すれば90%以上の確率で入会にいたります。弊塾の地元地域は競合他塾さんも多く、ガンガンに比較検討していただいた上でこの結果ですから、頼もしいかぎりです。もちろん、むりやり入塾させることも一切ありません。「しっかりご検討いただいて、もし入塾をご希望されるようでしたら、お電話ください」と、完全に相手へボールを渡してしまうスタイルです。
こんなことを言うと、メンタリストばりの心理テクニックを用いて水面下で計算しつくされた駆け引きをしているとか、とんでもない営業のスーパースキルを駆使しているとか思われるかもしれませんが、そんなことはありません。教室長は普通の人間です。
ではどこに秘密があるのでしょう? いや、秘密なんかじゃないですね。「個別指導塾としてなすべきことをきちんとやっている(分かっている)」ことに尽きると思います。思いつくまま挙げると、こんな感じです。
- コミュニケーション力がある
- 丁寧な面談をする
- 聴く力がある
- 共感する力がある
- 「目の前の生徒さんをどうにかしたい」という想いが保護者さんや生徒さんに伝わる
ポイントは上記ほとんどの要素が、訓練で解決できるという点です。
次回のエントリーでは具体的に各要素の伸ばし方に触れたいと思います。