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Comiru導入事例_英語学童ゆめキララ。様
保護者登録率と既読率が100%に到達、高い満足度を実現
課題
開校時に、入退出の管理と保護者コミュニケーションを行えるツールを探していた
効果
指導報告書の既読率ほぼ100%を達成し、高い保護者満足度にも貢献
多様なスクール運営のノウハウを活かして学童を開校
── ゆめきらら学童を始めるに至った経緯を教えてください。
弊社は人材ビジネスからスタートして、派遣・転職支援、住宅サポートを事業としてきました。その後、教育事業として学習塾授業を始めました。2年前からは、より低年齢からサポートできる事業を考え、保育園や幼児向けのそろばん・英会話スクール・プログラミングスクール、そしてこの学童を開始しました。
── 幅広い年次に対して事業を展開されているのですね。ゆめきらら学童の特徴はどんなとこにありますか?
学童だけではないので、各スクールとの連携や、そこで培ったノウハウを生かせることが強みだと思います。 ゆめきらら学童では、英語とプログラミングを同時に学べるレッスンなどがあります。
保護者登録率と既読率が100%を達成、高い満足度を実現
── Comiruを導入した経緯を教えてください。
開校(2018年4月)と同時に入退室管理ができるツールを探していて知りました。 入退室管理だけでなく、保護者に一斉に画像を送ることができる点が魅力的でComiruに決めました。 学童では、児童が学校から直接来るため、入室通知は必須です。保護者様にも大変喜ばれています。
さらに、レッスン中には先生が児童の写真をたくさん撮っていますので、それを送ることでお預かりの報告としています。
既読率はほぼ100%です。 レッスンの後、今日来ている児童だけを選択して、画像を添付したら簡単に一斉送信ができるので、とても助かっています。
── 他にはどの機能を使っていますか?
問い合わせ機能と請求書機能を活用しています。 学童への連絡はすべてComiruのお問い合わせで送っていただくように保護者にお願いしています。 電話だと、伝達漏れによるトラブルのリスクもありますので、やりとりの記録が残っているということは非常に便利です。
請求書機能は、経理担当者の工数削減につながりました。もともと口座振替でお支払いいただいているのですが、毎月の利用日数が変動するため、一定額ではないご家庭も多いため、請求書発行が必要でした。 以前は、教室担当者が請求額の一覧表を作って、経理担当者に渡し、Excelで請求書を作成・郵送していましたが、 今ではComiruで請求書を作って、そのまま保護者に届けることできます。
── Comiruの導入で良かったことはどんなことですか?
もともと想定していた、入退室機能や、レッスンの様子を写真で送ることができるお知らせ機能が、保護者にとても喜ばれていることですね。 また、お知らせのアンケート機能では、保護者の満足度調査を実施しました。 その結果を集計してホームページに「お客様の声」として掲載しています。
http://yumekirara-gakudou.com/voice.html── 満足度が高いですね!Comiruの保護者登録率も100%と伺いました。どんなご案内をしているのですか?
実は、入会時の規約でComiruの利用をお約束いただいています。 さらに、電話ではなくComiruでの連絡を徹底していますので、振替などご家庭からの連絡対応の漏れがなくなりました。 お互いにとってコミュニケーションが円滑になっていると思います。
生徒が楽しくのびのびとやれる環境を
── 今後、Comiruをどのようにご活用いただけそうですか?
予約管理機能が便利そうだと感じています。学童では、イベントが多いのでその受付での利用を予定しています。
例えば、先日のハロウィンイベントでは、「◯日◯時から予約開始」とご案内したところ、電話がつながらなくなるほど予約が殺到しました。こういったことを避けるためにも、Comiruでの申込に移管できたらと思っています。
また、学童の利用日の予約については、現在はカレンダー形式の用紙を手渡ししており、次月の予定を書いて提出していただいています。 どうしても用紙をなくしてしまったり、お迎え時に持ってくるのを忘れてしまったりということがあるので、デジタル化していきたいと考えています。
── 今後の展開を教えてください!
この英語学童ゆめキララは、塾や習い事とは別の角度からお子さんの成長を支援したいと考えています。 ホームステイのように、体験を通じて学んでいくイメージに近いですね。
学校終わりに来て、楽しくのびのびとやりながら、自然に英語やプログラミングが身についていく「放課後ホームステイ」。ここから、将来の選択肢が広がるきっかけにしてもらいたいですね。
中小・個人塾のための実践論[4]
中小・個人塾のための実践論 [4]
生徒の顔と名前を覚えて、通塾初日から生徒の心を掴んだD塾
著者の紹介
森 智勝
(もり・ともかつ)
学習塾経営アドバイザー
17年間の塾経営を経て、塾専門のマーケティング勉強会(塾生獲得実践会)を設立。机上の空論ではなく、現場主義を貫くマーケティング手法を全国の塾に提供している。経営コンサルタント、スタッフ研修等を専門に行っているが、特に不調塾の立て直しには定評がある。
D塾は地方都市の中心部にあり、長年の実績と信頼を積み重ね、1教場に200名の塾生を集める優良塾です。そのD塾が近隣に新築移転開校することになりました。事前のプロモーションが上手く運び、春季に約120名、夏期に約80名の新塾生を迎え、350名を超える塾生が在籍するまでになりました。単価の高い個別部門が大幅に伸びたため、売り上げはほぼ倍増です。
良い事尽くめのようですが、塾長先生は1つの懸念を抱えていました。一気に塾生が増えたため、生徒の顔と名前が分からないと言うのです。
言うまでもないことですが、コミュニケーションの基本は相手の顔と名前を覚えることです。あるドラマの一場面です。大きな企業の社長がパーティーに出席すると、向こうから声が掛かります。すると秘書がすかさず「〇〇協議会の佐藤会長です」と小声で教えます。社長は満面の笑みで「お久しぶりです。佐藤会長!」と挨拶をするのです。元首相の故田中角栄氏は、一度会った人の顔と名前を忘れないという特技を持っていたそうです。それが氏を政界のドンに祭り上げる原動力になりました。
生徒数が30人や50人の個人塾ならば絶対に発生しない問題です。そうした塾は多分、保護者(母親)の顔も馴染みでしょう。強固なコミュニケーション・サークルが自然と構築されます。しかしD塾のように、1校舎に350人、新入生が一時期に100人を超えると困難です。しかしそれを、生徒が多いのだから仕方がないと諦めていると、いつか足元をすくわれます。最初から無理だと決めつけて何の手も打たない塾と、それでも工夫(努力)を続ける塾との間には大きな差が生じます。
そこで私は次のような提案をしました。
方法は簡単です。入塾前の説明会、来塾時に、デジカメ(スマホ)で記念写真を、可能ならば親子ツーショットの写真を撮るだけです。その写真を塾生の個人ファイルに貼付すれば終わりです。
そして、その生徒が初登塾の日の朝礼(夕礼?)時に、プリントアウトしたファイルを講師たちに配り、「今日、鈴木健太君が初登塾します。皆さん、声掛けをよろしくお願いします」と確認しておきます。 健太君は初めての通塾で緊張していることでしょう。教室の扉を開くことを躊躇(ためら)っているかもしれません。そんな時、見たこともない塾講師から「健太君だね。僕、数学を担当している高橋です。これからよろしく」と声を掛けられたらどうでしょう。
家に帰ったら両親に、「今日、初めて塾に行ったら全ての先生が僕のことを知っていて、声を掛けてくれた」と、嬉しそうに話すでしょう。それを聞いた両親も安堵し、感動してくれるのではないでしょうか。この塾に決めて良かったと思ってくれるはずです。 そして社員スタッフには毎日、全塾生の生徒ファイルを閲覧し、顔と名前を覚えることを「業務命令」します。ひとり5秒としても100人の生徒を閲覧するのに10分も掛かりません。
こうした問題は、規模の小さな集団塾には発生しないかもしれませんが、個別指導の塾では注意が必要です。指導現場(教室)にはアルバイトの学生講師を含め、複数の塾関係者が存在しています。新塾生が教室にやって来ます。勝手が分からず、マゴマゴしています。誰も我関せずと無視するのは最悪ですが、気付いた学生講師が声を掛けます。
「どうした? 新入生? 名前は?」
教室長を見ると、まだ自分の生徒の指導に夢中です。仕方なく、「じゃあ、この席に座っていてね。もうすぐ教室長が来るから…」と、自分の担当生徒のところに行ってしまいます。数分してから教室長が「ゴメンごめん、待った?」と近寄ってきて、やっと対応してくれました…さて、この生徒はどう思うでしょう。この様子を聞いた保護者はどう思うでしょう。
大抵の場合、新入生は授業開始時刻の数分前に教室にやってきます。ところが担当講師も教室長も、まだ指導に夢中になっていたりします。いくら教室長が担当講師に、「今日から鈴木健太君が2コマ目に来ます。よろしくね」と伝えていたとしても、1コマ目の生徒の指導に熱中して忘れることもあります。それが日常で、慣れた生徒は勝手に席に座って当日の学習を始めているかもしれません。しかし、新入生にとってその日は日常ではありません。だからこそ、現場スタッフは細心の注意と配慮が必要なのです。
現場スタッフ全員に生徒ファイルを配るのが面倒ならば、せめて「ようこそ、鈴木健太君!」というポスターくらいは貼って、当日のスタッフ全員に注意喚起すべきです。
よっぽどの例外日を除けば、1日にやって来る新入生は多くても数人です。仕組みさえ作って運用すれば、そんなに難しいことではありません。そう、全ては仕組み作りの問題です。
D塾はすぐに取り組み、それが功を奏したかどうかは不明ですが、その後の3カ月で更に30名の増員を達成しました。
【リリース情報】名学館HDとのアライアンス検討開始並びに弊社営業資料一部修正のお知らせ
2021/11/01
株式会社 POPER (本社:東京都中央区、代表取締役 栗原 慎吾 、以下 「 弊社 」)弊社は、 株式会社名学館ホールディングス (本社:名古屋市昭和区 代表取締役社長 佐藤剛司 、以下「名学館」 )との間で、学習塾における 業務管理 及び 保護者コミュニケーション 分野での業務提携(アライアンス)に関する協議を開始したことをお知らせいたします。
アライアンスの検討状況及び結果につきましては、進捗があり次第改めてお知らせ申し上げます。
なお、このたびのアライアンス に関する 両社協議の場において、弊社の一部営業 資料に「名学館」のロゴを掲載し 、あたかも名学館全体で「 Comiru 」を導入済みであるかのように表示し て いるケースがございました。 これは、 以前、名学館に加盟している一部の フランチャイズ教室 にて「 Comiru 」 を利用いただいていたことを理由として、弊社で誤った認識のもとで 掲載していたものです。
名学館 及び当該表示をご覧になったみなさまには 大変なご迷惑をお掛け致しましたこと、謹んでお詫び申し上げます。弊社は、本件を重く受け止め、このような事態を 二度と起こさないよう、該当営業資料を速やかに修正した上で、知的財産権に係る役職員及び管理体制を強化、徹底し、再発防止を図って参ります。
中小・個人塾のための実践論[3]
中小・個人塾のための実践論 [3]
「教育法」から「◯◯」に打ち出しを変化させたC塾
著者の紹介
森 智勝
(もり・ともかつ)
学習塾経営アドバイザー
17年間の塾経営を経て、塾専門のマーケティング勉強会(塾生獲得実践会)を設立。机上の空論ではなく、現場主義を貫くマーケティング手法を全国の塾に提供している。経営コンサルタント、スタッフ研修等を専門に行っているが、特に不調塾の立て直しには定評がある。
塾の使命は第一義的には言うまでもなく「成績向上」と「志望校合格」です。その責務を果たしてはじめて、付随する価値が輝きます。
よく、「当塾は成績向上を目指す塾ではありません。学問を通して困難に立ち向かう強い人間力を身に付けさせる塾です」旨を謳う塾を見掛けますが、それは成績向上を実現している塾だけに許される謳い文句です。そうでなければ、成績を向上させられないことの単なる言い訳と解釈されることでしょう。また、「困難に立ち向かう強い人間力」を望むのであれば、親は我が子を学習塾ではなく別の、例えばボーイスカウトのような団体に通わせるのではないでしょうか。
教育に対する理想を追求するあまり…
以前、「とある教育法」に熱心なC塾がありました。生徒は50人程度です。中小・個人塾の経営者にありがちな、教育に対する理想を追求する塾長さんでした。大らかな人柄で保護者からの信頼も厚く、生徒からも好かれていました。それなのになぜ、塾生が50人程度しか集まっていないのか、不思議に思ったものです。いろいろ調べて了解しました。
塾長は「とある教育法」に心酔するあまり、例えばチラシ、例えばホームページ、例えば入塾案内に、その教育法を前面に押し出していました。結果、一般の保護者からすると、いわゆる説教臭い内容になっていたのです。
私は仕事柄、その教育法の内容も知っていましたし、それが素晴らしいものだとも思っています。しかしそれは、あくまでも教育法であって、学習の指導法ではありません。一般の家庭からすれば、子どもの教育のことまで塾に口出しされたくないと思われても仕方がないことでしょう。
もちろん塾長と同様、その教育法に惚れ込む保護者もいます。塾生の保護者の多くは、その教育法を認め、積極的に受け入れていました。それがC塾の強さでもあり、生徒が増えない原因でもありました。例えは悪いのですが、一種の宗教団体のような趣を感じました。塾長自身は前述したように、誰にでもオープンで社交性があり、個人塾の経営者としては申し分ない人でした。それだけに地域からマニアックな、特殊な塾だと思われるのはもったいないと考えました。
その教育法は子どもの自律を促すには最適で、C塾は講師(ほとんどアルバイト大学生)ひとりに生徒6人という自立学習型指導塾なのですが、過去に東大生を何人も輩出するなど、指導実績も抜群です。
チラシやホームページで打ち出すべき順番が逆だった
塾長としては「とある教育法を導入しているから抜群の進学実績があることを強調したい」と思っていたようです。そのため、教育法の素晴らしさを強調する販促物(チラシ・ホームページ・入塾案内等)を作り上げました。が、マーケティング的に言えば順番が逆です。
「あの塾は凄い進学実績を叩き出しているが何故だろう。そうか、〇〇という教育法を実践しているからだ」と、後から気付かせるような戦略が正解です。どんなにその教育法が素晴らしくても、それを前面に押し出されると、多くの保護者は警戒します。また、塾を利用しようとしている家庭が望んでいるのは、教育ではなく指導であり、結果としての成績向上・志望校合格です。
私は塾長と相談して、マーケティング法(特に広告宣伝)を一新しました。教育法を奥に引っ込め、実績と指導法を訴えました。教育の一環として塾が取り組んでいた奉仕活動やリレーマラソンは、イベントとして紹介することにしました。C塾は講演会や映画鑑賞会等、様々な取り組みをしていたのですが、それまでは教育法の実践として紹介していたのです。
もちろん、教育法そのものを捨てたわけではありません。それどころか、教育法に基づく活動は以前にも増して活発になっていきました。ただ、それを前面に押し出すマーケティングをしなくなっただけです。
例えば生徒の自律(実践している教育法のキーワード)を促すため、空き部屋を改造して自習スペースを増設しました。特に高校生は、平日・日曜を問わず自習室に通う生徒が増え、合格実績の向上に貢献してくれました。そのため、小・中・高一貫指導塾としての評価が高まり、中3生の高校部継続率も飛躍的に改善しました。
保護者が求めているのは「成績向上」と「志望校合格」
結果、2年後のC塾は塾生が98人、ほぼ倍増することになりました。
教育法は学習指導のベースになるものであり、塾にとっても必要な概念です。しかし、それを買いに来る家庭はありません。例えて言うならば、レストランで拘(こだわり)りの小麦を使用していたとしても、その小麦を買いに来る客はいないのと同じです。やはり保護者は塾に、「成績向上」と「志望校合格」を買いに来るのです。
以前、某塾経営者から聞かれたことがあります。「つまらないけれど成績が上がる塾と、成績は上がらないが楽しい塾、どちらがいいのでしょう」と。私は答えました。「当然、前者です。楽しさを求めるなら、人は塾ではなくディズニーランドへ行きますよ」。全ての付加価値は、本筋の価値が確立されてはじめて、威力を発揮するものです。「成績が上がる」「志望校に合格する」が前提にあって、居心地のよさとか楽しさが生きてくるのです。
中小・個人塾のための実践論[2]
中小・個人塾のための実践論 [2]
著者の紹介
森 智勝
(もり・ともかつ)
学習塾経営アドバイザー
17年間の塾経営を経て、塾専門のマーケティング勉強会(塾生獲得実践会)を設立。机上の空論ではなく、現場主義を貫くマーケティング手法を全国の塾に提供している。経営コンサルタント、スタッフ研修等を専門に行っているが、特に不調塾の立て直しには定評がある。
このコラムの初期に、「ビジネスは商品力が8割」という話をしたと記憶しています。今回はその実践編をお届けします。
A塾は地方の、お世辞にも都会とは言えない田舎町にありました。当時、生徒数は40人そこそこ、塾長と社員講師(女性)がひとり、そして奥様が事務をしていました。対象は中学生が中心で、数人の小学生が在籍している、いわゆる英数(算国)補習の集団指導塾です。月謝は中学生が16,000円、月の売上が60万円弱です。季節講習は受講必須で、該当月の月謝が通常の1.5倍という設定でした。教室の家賃と社員の給与を支払うとカツカツで、それこそ藁をも掴むという気持ちで私に支援依頼をしてきたのです。話をしてみると塾長(当時40歳)は、まだ塾経営に意欲的で、業績向上のためなら何でもやるという覚悟が感じられました。そこに望みをかけ、私は塾再建の依頼を受けることにしました。秋の気配が強くなった10月中旬のことです。
塾長から最初に受けた相談が、「経費削減のため社員講師を解雇すべきかどうか」というものでした。
利益のためには経費削減が手っ取り早いが…
企業再建のために経費削減をするのは常套手段です。特に人件費は最初に目を付ける経費削減の対象項目でしょう。リストラという言葉が人員削減を意味するようになったのも、企業の再構築=人員削減という印象が強くなった結果です。しかし、盲目的な人員削減はお勧めできません。人件費は経費ではなく投資と考えているからです。特に塾というビジネスにおいて教師は商品そのものです。人員削減することは、商品そのものを棄損することにつながります。また、A塾にとってはたった一人の社員です。塾長には情もあります。しかし自分一人で英語も数学も指導すれば、人件費分の利益が生じます。塾長は利益と情との間で苦悩していました。
確かに「利益=売上-経費」です。利益を上げるためには経費削減が最も手っ取り早いでしょう。しかし経費削減には限界があります。もちろん無駄な経費は削除するべきですが、それでも地代家賃や光熱費、教材費等、必要経費は存在します。勢い、売上増を図らなければ業績の回復は望めません。そのためには商品力の向上は必須です。塾長ひとりで指導する方がクオリティが高くなるのでしたらいいのですが、指導レベルが落ちるのなら本末転倒です。
私は塾長の相談に応えるため、社員教師との面談をしました。すると彼女も、今のままではいけないと思いながら、何をして良いのか分からない様子だということが解りました。どうも、彼女が担当している英語の授業に関して、塾長からは何の注文も指導もなく、いわゆる丸投げ状態だったようです。実際に模擬授業を披露してもらったのですが、贔屓目で見て「塾長は平均点、社員教師は平均以下」でした。
経費削減方針から商品力アップに方針を一転
私は塾長に「まずは商品(授業)の質を高めましょう」と提案し、(集団指導の基本を説明した上で)その日から週に2回の模擬授業研修を義務付け、月に1回、(私の)訪問日に成果を披露してもらうようにしました。社員の解雇は、翌春までの成果を見て決めるということにして。奥様を加えた3人は愚直に模擬授業研修を続け、半年後には見違えるような授業を展開するようになりました。それまで行き当たりばったりだった授業が、模擬授業が事前準備の役割を果たしたようで、実際の授業も緩急(メリハリ)のある締まったものになり、それは生徒の評判にもつながっていきました。
それと並行して、カリキュラムの大胆な改革に着手しました。前述のように、A塾は「週に2回、英語と数学を2時間ずつ指導する」という英数塾でした。それを「英語と国語で2時間、数学と理科で2時間、オプションで社会+苦手科目で90分(自立学習)」の5科目指導に変えました。講義形式の予習指導を徹底し、テスト前補講を強化、テストで高得点を取らせることに集中しました。授業料は4科で19,000円と3,000円の値上げ、オプションも加えると6,000円UPの22,000円に設定しました。
テスト前の土日は12時間特訓、テスト当日は早朝学習(朝塾:朝食支給)を実施しました。とにかく成績向上に資することには全て取り組みました。大きな改革をした後は、どんなことをしてでも成果を出さなければならないと、私も塾長を叱咤激励しました。その時のことを振り返って社員教師は、「塾長は怖いくらいだった」と言っています。とにかく、「これでダメだったら後はない」という覚悟で塾長は取り組んだのでしょう。その熱意に応えるように、生徒も頑張りました。そして改革初年度の最初の定期テスト(6月)の結果は…
多くの個人塾がそうであるように、A塾も塾生全体の半数近くが中3生でした。その20人の平均点(5科目)が420点オーバーを記録しました。中2の平均は残念ながら390点台でしたが、中1も410点を超えました。親どころか生徒本人がビックリする成果を叩き出したのです。前回と比べて100点UPする生徒はざらで、中には200点以上UPさせた生徒も何人かいたものです。(もちろんA塾には入塾テストなどなく、普通の生徒が在籍している塾です)
夏期講習の案内を兼ねたテスト後の3者面談は、保護者も生徒も笑顔が絶えなかったそうです。
その夏期講習も大改革をしました。
それまでは既成の夏期ワークを使用し、おざなりの講習を実施していました。講習費は通常月の半分ですから8,000円(中学生)です。総額でも27万円程度の売上でした。その内容を一新し、中3生は受験を視野に入れた本格的な講座を5万円(1泊2日の合宿込み)に設定しました。もちろん必修ではなく任意受講にしました。他学年も3万円の費用設定です。塾長は朝から晩まで休みなく夏期講習と通常授業をこなしました。講座は受験レベルに設定しましたので、社員教師は午前中に、午前中から授業のある塾長は早朝に予習をしました。地獄の1カ月だったと思います。しかし、その見返りは…
6月のテスト結果が驚異的だったこともあり、任意受講にも関わらず90%以上の生徒が夏期講習を受講してくれました。評判を聞いて、多くの外部生も申し込んでくれました。結果、その年の夏期講習売上は240万円です。例年の10倍近い額になりました(ちなみに翌年の夏期講習は350万円の売上でした)。生徒も増え、A塾の経営体質は急速に強化されたのは言うまでもありません。
塾というサービス業は目に見える商品を扱っているわけではありません。しかし、授業という商品の質を高め、成績向上という顧客ニーズに応えることは、業績を向上させるために必須のことです。自塾を立て直したいと希望されるのなら、まずは授業という商品力の強化から始めることです。
中小・個人塾のための実践論 [1]
中小・個人塾のための実践論 [1]
塾経営の基本(真髄)を体現してくれたA塾
著者の紹介
森 智勝
(もり・ともかつ)
学習塾経営アドバイザー
17年間の塾経営を経て、塾専門のマーケティング勉強会(塾生獲得実践会)を設立。机上の空論ではなく、現場主義を貫くマーケティング手法を全国の塾に提供している。経営コンサルタント、スタッフ研修等を専門に行っているが、特に不調塾の立て直しには定評がある。
今回からテーマが変わり、私がこれまで関わってきた塾の成功例・失敗例を基に、より具体的な「実践論」をお届けします。
実例を紹介しながら、これまでのマーケティング論の復習をしつつ、新しいヒントを掴んでいただければ幸いです。第1回はイントロダクションとして塾経営の基本(真髄)を体現してくれたA塾についてお話します。
生徒獲得に必要だったのは「◯◯の壁」を乗り越えること
地方都市の住宅街に位置するA塾は当時、塾生が8人まで減少し、文字通り瀕死の状態でした。古民家?と見間違うくらいの古い一軒家を借りての営業でした。廊下は歩くたびにギシギシと音を立てる有様です。
指導内容は自立学習指導です。当時、すでに型落ちしていた古いCAIを使用していました。塾長は藁をもすがる思いで、私が主宰する塾生獲得実践会の門を叩きました。塾長は必死に運営マニュアルに書かれていたとおりの実践を続けました。そして2年後、塾生は67名になっていました。私が塾長に招かれてA塾を訪問したのは、その年の夏です。
塾長が私に話してくれた重要な点についてお話します。
塾長は次のように話しました。「これまで15年塾経営をしてきましたが、私には塾生50名以上は集められないと思っていました。それが、実践会に入会してから盲目的にマニュアルに書かれていた通りに実行し、必死で2年間を過ごしていたら、いつの間にか50名を突破し、67名までになっていました」
この塾はそれまで、最大でも40名程度の塾生数だったそうです。開校4年目のことです。そこからジリジリと塾生が減り続け、ついには8名までになってしまったというのです。「自分には50名の塾生は集められない」…こうした心理状態をメンタルブロック、日本語で内制止と言います。簡単に言えば心の壁のようなもので、「〇〇は無理だ」と思っている人はけっして、〇〇を達成することはありません。自分には50名の塾生は集められないと思っている人に、50名の塾生は集められないのです。
別の理屈を掲げたメンタルブロックの持ち主も多く存在します。曰く「私は1人ひとりを大切にしたいので、私の手が届く今以上の塾生数を集めようとは思いません」。これなどは、(きつい言い方ですが)今以上の生徒を集められない自分に言い訳をしているに過ぎません。あなたの指導が子どもにとって本当に有益ならば、1人でも多くの子どもに提供するのが正義であり、社会貢献です。あなた自身が成長して、手が届く範囲を広げる努力をすべきです。その努力を怠って「ひとり一人の生徒を大切にしたいから」と言うのは言い訳であり、やはりメンタルブロック(自分にはこれ以上の生徒を集められない)の1つです。
まずはこの内なるメンタルブロックを叩き壊す必要があります。どうやって?-それもA塾の経営者が教えてくれています。
不調の塾の経営者ほど暇を持て余している
手前味噌ですが、私が提供するマニュアルは机上の空論ではなく、現場での実践を通して得られた具体的内容になっています。大きな資本も必要ありません。ただ、それだけに実際に実行しようとすれば多くの時間と労力が必要になります。例を挙げれば、「毎日3通ずつ、生徒に手紙を書きましょう」「テスト当日は早朝の6時から特別授業を行いましょう」等々です。効果は抜群、すでに実証されているものばかりですが、よっぽど本気で取り組まなければ、続けられるものではありません。
しかしA塾の塾長は「盲目的に」それらを実践したというのです、必死で。で、気付けばいつの間にか塾生50名を突破していたと-これがメンタルブロックの壊し方です。もともとメンタルブロックというのは精神的な障壁です。ならば、そんなことを考える暇もないくらいに行動すればいい。悩むより動くことです。何事も、自分が動くことでしか現状を変えることはできません。多くの塾経営者と交流してきた私の経験則ですが、不調の塾の経営者ほど暇を持て余しています。そして「打ち出の小づち」を求めています。好調の塾の経営者は、一日を忙しく「仕事」に充てています。(仕事と作業は別物です。詳しくは別項で)
誤解を恐れずに言えば、どれだけ下手な手法で経営していたとしても本気で、必死で取り組んでいれば、塾生50名~100名の塾は作れます。今、経営不振に悩んでいる塾経営者の皆さん、覚悟を決めることです。3年間、脇目もふらず全てを塾経営(生徒の学力向上と意欲の向上のためにできること)に注いでください。目の前のことに必死になって取り組めば、必ず次にすべきことが見えてきます。そうすれば3年と言わず、3ヶ月で塾の雰囲気が変わってきたことを実感できるはずです。少なくとも生徒&保護者は塾の変化を感じ取ってくれます。
ちなみにA塾はその後、自宅兼塾舎を新築し、生徒数160名が在籍する塾になりました。
中小・個人塾のためのマーケティング講座【vol.14】
友人紹介の方法[2]
著者の紹介
森 智勝
(もり・ともかつ)
学習塾経営アドバイザー
17年間の塾経営を経て、塾専門のマーケティング勉強会(塾生獲得実践会)を設立。机上の空論ではなく、現場主義を貫くマーケティング手法を全国の塾に提供している。経営コンサルタント、スタッフ研修等を専門に行っているが、特に不調塾の立て直しには定評がある。
友人紹介の方法[2]
紹介制度についての後半です。
今から10年以上前のことですが、某週刊誌が某大手塾の紹介制度について取り上げ、大きな話題になったことがあります。曰く「塾生にセールスを強要する塾」、曰く「友人勧誘マニュアルが存在し、授業中に勧誘方法を説明する教師たち」…実際のところは承知していませんが、少なくとも好意的な記事でなかったことは確かです。その記事の中に、「友人を紹介すると謝礼として図書券〇千円分が貰え、中には数千円分の図書券をゲットする強者も」という記載がありました。当時(今でも?)、友人紹介の謝礼に数千円分の金券(図書券・文具券等)を渡す塾は一般的でした。そのことが非難の的になったのです。私も、マーケティングの観点から謝礼の金券には反対しています。なぜなら、後ろめたさを生じるからです。
3,000円の図書券欲しさに友人を紹介したとは思われたくない…
あなたの塾生は「あなた」が好きで、「あなたの塾」が好きです。そんな塾を友人に自慢したい、紹介したいと思っています。しかし同時に、「図書券欲しさに紹介していると思われるのではないか」という危惧を持っています。この後ろめたさが友人紹介にブレーキを掛けています。
前回にお話したように、利益が生じる顧客の紹介は(形式上)顧客である保護者にするべきであり、謝礼も保護者に渡すべきです。それも後ろめたさが生じない品にしたい。金券は金額が明らかなので、どうしても後ろめたさと表裏一体になってしまいます。また、図書券は子どもの読む少年ジャンプに化けるだけなので、保護者から好意的には捉えられません。
想像してください。母親同士の井戸端会議で「うちの子が通っている塾、友人を紹介したら図書券3,000円分くれたのよ」と話すでしょうか。普通の母親は言いません。
ある塾の例です。その塾は紹介制度を「親孝行キャンペーン」と銘打って、友人紹介の謝礼に「お米〇㎏」を贈呈しました。これなら「うちの子が通っている塾、友人を紹介したら米を贈ってくれたのよ」と言い易くなります。笑い話になります。そこに後ろめたさはありません。
図書カードは扱いも楽ですし、生徒には「鬼滅の刃が買える」と喜ばれるかもしれません。ちゃんと理論武装さえすれば、謝礼として完全否定するつもりもありません。しかし、そこで思考停止になるのは避けたいものです。紹介制度を自塾の活性化につなげる知恵を働かせてほしいのです。
例示を続けましょう。
ある塾は春の紹介キャンペーンで、「友人20人紹介で家族4人、ハワイへご招待」を打ち出しました。B紙に手書きで作った大きなポスターを掲示して。塾生たちは騒ぎました。「先生、嘘やろ~」と。ここまで突き抜けたオファー(謝礼)を提示すると、後ろめたさも吹っ飛びます。私は紹介キャンペーンを明るく、楽しく、イベントのように実施することをおススメしています。また、少し計算すれば解るのですが、本当に20人の紹介が得られたなら、4人をハワイ旅行に招待しても充分なお釣りが来ます。
紹介制度とは違うのですが、ある英会話塾は「中学生のうちに英検2級に合格したら2週間のニュージーランド語学短期留学にご招待」を打ち出していました。聞けば、過去に二人だけ該当者がいるとのことでした。30年近い営業期間で二人です。それでも地域では「英語を頑張れば語学留学に連れて行ってくれる塾」として評判で、100名以上の生徒が通っていました。広告宣伝費と考えれば、費用対効果は充分です。
塾というビジネスにおいて、「紹介」は必須の顧客獲得手段です。しかし、「よい授業をしていれば自然と口コミ・評判が広まって、紹介客が集まってくる」と考えるのは早計です。今の時代(塾業界が縮小均衡している時代)は、塾が積極的に仕掛けを打つ必要があります。
ぜひ、自塾の紹介制度を見直してください。
さて、次回からはテーマが変わります。私が関わり、業績をV字回復させた塾の実例を基に、そこから塾経営成功の根源を探っていきます。きっと、あなたの塾を飛躍させる突破口(ヒント)が見つかるはずです。続けてお付き合いください。
中小・個人塾のためのマーケティング講座【vol.13】
友人紹介の方法[1]
著者の紹介
森 智勝
(もり・ともかつ)
学習塾経営アドバイザー
17年間の塾経営を経て、塾専門のマーケティング勉強会(塾生獲得実践会)を設立。机上の空論ではなく、現場主義を貫くマーケティング手法を全国の塾に提供している。経営コンサルタント、スタッフ研修等を専門に行っているが、特に不調塾の立て直しには定評がある。
友人紹介の方法[1]
これまで塾生獲得のマーケティングについて説明をしてきました。いよいよ最終版、「紹介」による塾生獲得についてお話します。
ほとんどのほとんどの塾経営者が友人紹介による塾生獲得を理想としています。その通りでしょう。塾生紹介には経費が掛かりませんし、退塾率が低いというデータもあります。ところが、紹介が欲しいにも関わらず、紹介状や紹介の依頼文を常備していない塾が多いものです。
以前にお話しましたが、人は「形」に反応する性質を持っています。塾からの「友人紹介の依頼文」を見て初めて、身近にいる「塾を探している人」が見つかります。こうした状態を「アンテナが立つ」と表現します。
あなたにも経験があるはずです。「車をエスティマに買い替えようか」と思った瞬間から、街を走るエスティマが目に入り始めます。母親も「子どもを塾に通わせよう」と思うようになって、塾の看板が気になり始めます。もう10年以上そこで塾を開いているのに、来塾した保護者に「ここに塾があることを知りませんでした」と言われることは珍しくありません。人は、自分が興味のない事象に対しては「見えていても気付かない」=「アンテナが立っていない」のです。
同様に、ママ友が塾を探していたとしても、普段の付き合いの中でスルーしてしまうことが常なのです。だって、ママ友の子どもの成績に興味などないのですから。友人紹介の依頼文と紹介状の存在は、そうした保護者のアンテナを立たせるために必須のアイテムです。塾が友人紹介を欲していることを伝えなければ、それを保護者に理解してもらうことなど不可能です。思いは伝えなければ伝われません。
そこで重要なことは2点です。
1つは、生徒に対して「商品紹介」を依頼してはいけないということです。ここで言う商品とは、対価を必要とするものです。以前、某大手塾が週刊誌に叩かれたことがあります。曰く「塾生をセールスマンにして新規顧客を獲得する塾」という批判です。その某大手塾には塾生紹介依頼のマニュアルが存在し、授業中に生徒に対して友人紹介のアピールをしているとか。そして友人紹介をした塾生に対して数千円~数百円の図書券(金券)をお礼として渡している…まあ、悪意と穿った見方で書かれた記事でした。が、ひとつだけビジネスの本質として学ぶべきことがあります。「顧客の紹介は顧客に依頼しなければならない」ということです。
塾にとって生徒は、サービスの提供者ではあっても顧客ではありません。顧客とは「対価を払う者」であり、塾にとってそれは「保護者」です。塾は顧客である保護者から対価を頂いて、その要請によって子どもに学習指導を提供するビジネスです。そこが歯科医院やエステ、スポーツジム等と違うところです。
顧客ではない塾生を利用して顧客を獲得しようとするから批判を受け、非難されることになるのです。友人(顧客)紹介は、それが正規生でも講習生でも、あくまでも顧客である保護者に依頼しなければなりません。
「では塾生には友人紹介をしてはいけないのか」と問われれば、「否」です。対価が発生しないものに関しては積極的に友人紹介を依頼すべきです。例えばスポーツイベント、例えば無料のテスト対策、社会見学会…そうした対価を必要としない(利益を目的としない)行事に関しては堂々と行えばいいのです。そして、対価の発生する顧客紹介は、顧客である保護者に対して堂々と依頼することです。
ここで2つ目の留意点です。紹介依頼をする場合、多くの塾が自塾目線、自塾の都合だけに終始してしまいます。私が「友人を紹介した場合の(生徒&保護者側の)メリットは何ですか?」と尋ねると、「う~~~ん…図書券3,000円分が貰えます」と答える塾長が多いものです。この「お礼」に関しては次回、詳しく論じますが、これでは「3,000円で友人を売るイメージ」=後ろめたさが付いて回ります。そうではなく、友人紹介をすることが「友人にとっても、あなたの子どもにとっても良いことだ」という説明が必要なのです。
説明の内容は塾(塾長)のキャラクターによって様々考えられますが、1つだけ見本を紹介します。これを参考にして自塾のキャラに合った紹介依頼文を作ってください。(実際は縦書きをお勧めします)
ライバルを身近に置け!(友人紹介キャンペーンを前に)
想像してみてください。誰かに「限界までグランドを一人で走れ!」と命令された時のことを。もしかしたら十周程度で限界が来て、走るのを止めてしまうかも知れません。
「あなた」は野球部の一員です。そして、同じように「全員で限界まで走れ!」と監督から命令されたとします。この時、「あなたの限界」は確実に十周を超えます。なぜなら、「みんなが頑張っているのに、自分だけ脱落するわけにはいかない」という思いが生じるからです。もしかしたら、「あいつより先にくたばるものか!」という思いを持つ人もいるでしょう。特に、野球部のように同じ目標を持った仲間と一緒の時、その効果はより大きくなります。
ライバルの存在が自分を成長させる…よく聞かれるフレーズですが、その理由は上記のような心理の中にあります。(ベタな?シチュエーションですが)青春ドラマの中の受験生が、向かいの家に住むライバルの部屋の明かりが消えるまで勉強を続ける…そんな場面を見た人もいることでしょう。
ライバルの存在が自分を成長させる…これは真実です。
ですから「あなた」も、ライバルを身近に置くことです。ライバルと競い合い、切磋琢磨することは互いの成長を促す最大の方法です。
〇〇塾では積極的に「友人紹介」を求めています。なぜなら、塾の中に良きライバルが存在することが、「あなた」にとっても「彼」にとっても望ましいことだからです。そして塾としても、「あなた」と同じように向上心に溢れた塾生が増えることを心から願っています。また、チラシや看板を見て来塾してくれるのは嬉しいことですが、「あなた」から塾の理念・方針を聞き、ある程度理解した上で来塾してくれる生徒の方が、学習効果が高いことを経験上、私は知っています。
どうぞ、あなたのライバルに〇〇塾を紹介してください。あなたの良き友人の期待を裏切るようなことは絶対にありません。
この夏に実施する「夏期講習トライアル」の「紹介状」を同封します。それを彼(彼女)に渡すことが、あなたと彼(彼女)のライバル物語の始まりです。
追伸 保護者各位
お陰様で〇〇塾は、向上心に溢れた多くの生徒に通っていただいています。塾生一人ひとりが教室内の環境を向上させる構成員となり、相乗効果を生み出しています。この優れた雰囲気を壊さないような教室運営に努めてまいります。そのためにも、空席分は出来る限り「塾生の紹介者」で埋めたいと考えています。趣旨をご理解の上、今回の「友人紹介キャンペーン」にご協力下さい。なお、お友達をご紹介いただいた方には、ささやかながら御礼の品を進呈いたします。
〇〇塾 塾長 〇〇 〇〇〇
さて、あなたが考える「友人を自塾に紹介する理由」は何ですか?(次回へ続く)
Comiru導入事例_武田塾様
対面授業では主体的な子が目立ちますが、
視聴履歴でそうでない子の努力が見えるようになりました
導入前の状況
複数のツールにまたがって保護者コミュニケーションを取っており、生徒数増加が増えた際にこのまま対応できるか不安だった。
導入後の変化
・保護者コミュニケーションが効率化され、保護者との距離が縮まり個別相談が増えた。
・ComiruAir導入で生徒の頑張りが数値で見えるようになった。
武田塾の紹介
小学4年生〜高校生までを対象にした英検(R)︎特化型の英語教室。2級取得を最終ゴールに設定し、受験級ごとに少人数の対面授業を実施。武田塾がある大阪府では英検(R)合格級が中学・高校・大学入試で優遇されることから対策ニーズが特に高く、2018年より定期テスト対策メインの個別英語指導塾から英検(R)特化塾に転向。自宅での対面授業の生徒30名、個別指導の生徒15名を1人で指導している。
英検(R)特化型の英語教室を立ち上げたきっかけ
英検(R)に特化した英語教室というのは全国的にはあまり多くありませんが、英検(R)合格級が中学・高校・大学入試で優遇される大阪府では結構ニーズがあるんです。期間限定で英検(R)クラスを開講している塾も見かけますが、やはり短期間でなんとかなるものでもありません。これまでは中高生向けに定期テスト対策をメインで指導していましたが、3年前に英検(R)対策に特化することにしました。
武田塾の生徒の特徴
英検(R)に特化した塾はめずらしいので生徒や保護者の特徴を簡単にご紹介します。大阪府では高校入試で2級を合格していれば有利と言われているため、全員ゴールは2級です。現在小4から高2までの生徒が通っています。
よく、英語教育は早ければ早いほど良いと言われます。幼稚園から英語教室に通うケースもめずらしくありません。ですが、小学校高学年からでも全く遅くないと思います。むしろアプローチの仕方によってはそのくらいの方が理解しやすいということも。幼少期から英語を学んでいても、中学英語で挫折する子どももたくさんみてきました。当塾では、英語という言語を理解できる年齢になってから、“テストで点数を取れる指導”を行っています。
保護者コミュニケーションに力をいれる理由
入塾は保護者の意思によることが多いですね。英会話スクールで英語には慣れていて、勉強としての英語というステージに移行するときに検討していただくことが多いでしょうか。保護者の意向が強い以上、コミュニケーションはとても大事です。Comiruの導入を検討したのもコミュニケーション機能に魅力を感じたからです。
個別塾だからできるパーソナル対応にComiruを有効活用
Comiruを導入した当初は生徒数が20名前後でした。メールやLINEなど、個別に違うツールでコミュニケーションを取っていて、この先人数が増えたら困るな…と思っていたところでした。また、システムを導入することで学習塾としての箔が付くかも…という思惑もありComiruの導入を検討しはじめました(笑)。
実際に使っている機能で助かっているのはお知らせ機能を利用した「一斉送信メール」です。月1回成績表を手渡ししているので、「今日渡したので確認してください」という連絡と、塾通信も兼ねてブログを発信しているので、更新のお知らせなどが主な内容です。そんなちょっとしたメールでも、保護者との距離感は縮まると思います。個別相談も増えましたし、大手塾との差別化としても大切にしたい仕事ですね。
生徒の努力が数字で見える「動画コンテンツ」
指導においてはComiruAirの「動画コンテンツ」が便利です。英検(R)の面接の練習や、反復学習用にたくさん動画をUPしています。面接練習や音読テストでの話すスピードなど、文字では伝えきれないことが多いので、動画はとても便利です。“簡単な単語は教えられても、リスニングやスピーキングは無理”という保護者も多いですしね。
ComiruAirの「動画コンテンツ」の魅力は思っていた以上でした。視聴履歴が見えるので、どんなコンテンツが生徒に受けているのかが一目瞭然。こちらが肝いりで制作したものが反応が悪かったり、逆もあったりで、コンテンツを磨くのに役立っています。また、合格は難しいだろうと思っていた生徒が合格し、実は動画をものすごく見てくれていた、なんてことも。対面授業では主体的な生徒が目立ちますが、そうでない子どもが自分で努力してくれていたんですね。そんな様子を数字で見られて胸が熱くなりました。英語に限らず、今どきの子どもはスマホ、動画と聞いただけでやる気が出るものです(笑)。我々も現代っ子に合わせて進化しないといけませんね。
(オリジナル動画コンテンツの一例)
ComiruAirを使って動画コースや自宅学習支援にトライ
コミュニケーションツールとして導入したComiruから始まりComiruAirの動画コンテンツの活用まで、指導の幅が広がってきています。将来的には動画コースを開設するのもいいかもしれません。それも見据えて、動画コンテンツをコツコツ制作しアップロードしています。プラットフォームさえあれば、お知らせメールや「オンライン学習支援ルーム」も活用できると思います。
「オンライン学習支援ルーム」については、現状は授業や解説をするまでのリソースはありませんが、自宅学習をチェックするだけなら始められるかなと考えています。私も親なので分かりますが、「勉強しなさい!」で子どもとトラブルくらいなら、有料でもいいからフォローしてほしいものです。共働きの保護者が多いのでニーズはあると思います。